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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  マスターブック
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先日Richard Smallの論文を入手したばかりですが、読むのはこっちが先だろう、ということで、きょうはTheleの論文を持って出張に出かけました。そういえば昔、よく新幹線の中でLoudspeaker Design Cookbookを読んだものです。

しかし我ながら不真面目な光景ですなあ。

Thiele_paper


それはさておき、この論文は最初1961年に発表されたものの、オーストラリアの学会誌で発表されたこともあって1971年にAESに再掲載されるまでは広く知られることはありませんでした。

(この話のつづきはマスターブックVol.2で!)

"Testing Loudspeakers"の中でこの論文と同じ言い回しをしている部分があり、D'Appolitoさんも熟読したことが伺われます。

この論文の画期的な点はいくつもありますが、まず第一にfsとQtとVasを使ったバスレフのアライメントという概念を初めて提示し、アライメントテーブルとして使いやすい形にまとめた点です。この中でQB3(Quasi 3rd-order Butterworth)やC4(4th-order Chebyshev)といったアライメントを選ぶことでフラットなレスポンスが得られることを示しています。さらに面白いのは、フラットなレスポンスが得られるアライメントにおいては

Qt × fb / fs ≒ 0.38

という実験式が成り立つとしている点です。実は、私は以前からフラットなレスポンスが得られる条件として

fb = fs × 0.4 / Qt

という経験式を持っており、これは上の実験式とほぼ一致します。

あと、インピーダンスカーブからQtを求める方法やデルタコンプライアンス法でVasを求める方法についても記載されており、いやはや何というか、ほとんどできてるやん!という感じです。

論文の最後に、こんな言葉がありました。

この論文が最初に発表された当時、世の中的にはバスレフの設計理論は未完成であった一方で、オーディオ産業は既に競争時代に入っており、”革新的なコンセプト!”みたいな売り文句が氾濫していたようです。どこかの国でも良く聞く言葉です。それに対してThieleさんは

Unfortunately, no "revolutionary concept" was uncovered that offers something for nothing.

と皮肉たっぷりに言い放って締めくくっています。

ところで、バスレフのアライメントテーブルについて日本語で解説した記事は見たことがありません。『バスレフ アライメントテーブル』でググっても何もヒットしないので、たぶん無いのでしょう。このように明快で有益な設計手法がこれまで日本のアマチュアスピーカービルダー向けに紹介されてこなかったのは残念なことです。(いったい誰の責任?)

というわけで、マスターブックVol.2はバスレフのアライメントテーブルについて日本語で解説した最初の本になりそうです。



(つづく)


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