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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  オーディオ
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久しぶりのスピーカーネタです。前から気になっていたテーマですが、こちらの記事に触発されて自分も計算してみる気になったという次第。

パッシブネットワークではツィータ側にアッテネータはつきもので、普通はLpadが挿入されることが多いようです。Lpadには信号レベルを減衰させるとともにフィルター側から見たインピーダンスを8Ωに合わせる機能があります。クロスオーバーネットワークの設計にいわゆる『ネットワーク定数の計算式』を使うならばインピーダンスも8Ωに合わせておきたいのが人情でしょう。しかしドライバ自身の周波数特性や位相特性をまったく考慮しない『ネットワーク定数の計算式』自体が役に立たない以上、Lpadを使う必然もないと言えます。

Lpad


そんなわけで私は自称『逆Lpad』型アッテネータを好んで使っています。この回路の特徴は減衰量とフィルター側から見たインピーダンスを独立して可変出来ることです。減衰量はもっぱらR1で決まり、R2は減衰には寄与しないかわりにフィルターの肩特性を整えます。したがって、原理的には抵抗1本のアッテネータと考えることが出来ます。

逆Lpad


ただし、この記事の本題はそういうことではなく、Lpad型と逆Lpad型ではまるで音質が違うのは何故か?というのがテーマです。もちろん周波数特性や肩特性の違いも多少ありますが、それ以上に根本なに音の出方が違うのです。逆Lpad型は音が踊るというか、音離れが良いというか、通常のLpadが絵本ならば逆Lpadは飛び出す絵本、ハスの葉の上を水滴が転がるがごとく、といった具合です。ユーミンの『NO SIDE』のイントロを聴き比べれば誰でもわかります。

ではその違いの原因は何か?ですが、こういった話は観念的な議論をしてみたところで埒があかないので、実際に何が違うのかLTspiceで電流波形を比較してみました。

まず最初はアッテネータなしの電流波形から。L2とR2はSEAS T25CF001のボイスコイルのインダクタンスと直流抵抗(正確には4.6Ωですが簡単のために4Ωとしました)に合わせてあります。この回路に4Vp-pのパルスを与えるのですが、立ち上がり/立ち下がり時間はスルーレートの考え方を使って次のように決めました。

正弦波の時間に対する振幅の変化が最大になる値は

    dV/dt=2 π f * Ep-p

いまf=10kHzで振幅が4Vp-pの正弦波を考えると、

    dV/dt = 2 π f * Ep-p = 2 π * 1.0E+4 * 4 = 2513274V/s = 0.25V/us

このスルーレート値を用いたとき、パルス波が0Vから4Vまで立ち上がるのに必要な時間は

    4V ÷ 0.25V/us = 16us

ということで、立ち上がり/立ち下がり時間は16usとしました。

0dB_schem


こちらがそのときの計算結果。緑が駆動電圧の波形、赤がツィータに流れる電流波形です。電流波形は電圧の立ち上がりよりも遅れて立ち上がっていますが、これはツィータのボイスコイルのインダクタンスの影響と考えられます。たかが0.05mH、されど0.05mHですな。

0dB


ここで信号源インピーダンスはゼロとしています。つまり一般的な電圧駆動アンプを用いた場合に相当します。では、電流駆動アンプではどうなるでしょうか?電流駆動アンプとは、冒頭のリンク先にもあるように入力波形に相似な電流波形を発生させるアンプです。ダイナミック型スピーカーの動作原理はフレミングの法則で示されるローレンツ力ですから、入力波形に忠実な再生のためには入力波形に忠実な電流を流すことが求められます。電流駆動アンプであればツィータには入力波形に相似な電流が流れ、立ち上がりに遅れを生じることもありません。これが電流駆動アンプの優位性と言われる点です。

さて、話をツィータのアッテネータに戻すと ...



(つづく)


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