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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  オーディオ
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『自作真空管アンプでレコードを聴く会 IN 小野』の本番は無事終わりましたが、いくつか気になる点もあったので、クロスオーバーネットワークに改善の余地がないか検討してみました。

実は、今回のMantaray Hornシステムはかなり無理をしているところがあります。

こちらが組み上がったシステムのインパルス応答。まず直接波の大きなピークがあり、そのあと数ms遅れて小さな反射波のピークが現れるという、ふだん見慣れた波形とはずいぶん違います。特に14~15msに出現するピークの正体が分からず、危うくパニックになりそうでした。

Impluse


実はこのピークの正体はミッドの直接波で、最初の13ms付近のウーファーの直接波から約1.8ms遅れてマイクに到達しています。1.8msを距離に直すと61.2cm、これがウーファーとミッドのAcoustic centerの前後方向のオフセットで、概ねホーンの奥行き寸法に相当します。

Impluse2


これだけ大きなオフセットがあると、もはや正攻法でクロスさせるのは不可能です。事実、WF、MID、TWをすべて正相接続するとこんな周波数特性になってしまいます。

Original_Mid_Normal


そこで、ミッドとツィータを逆相接続して、うまく誤魔化したのがこちら。今回のネットワークです。設計上はミッドの軸上2mでフラットな周波数特性が得られていますが、それ以外の距離や位置でどうなるかは保証の限りではありません。

Original


では、構造的に可能かどうかは別として、正攻法でウーファーとミッドのAcoustic centerを合わせたらどうなるでしょうか?

Speaker workshopにはドライバの位置をオフセットさせる機能があります。それを使ってミッドを61cm前に出してみた結果がこちら。ミッドとツィータは正相接続ですが、ディップがなくなり概ねスムーズに繋がっています。

Original_Mid_Normal_Offset+61cm


これをベースにして最適化したのがこちら。なかなか良い感じです。

Offset+61cm_1


問題はどうやってホーンを61cm前進させるかですな。



(つづく、かも...)


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テーマ:オーディオ - ジャンル:趣味・実用

コメント


Iridium17 様

2Wayでも、ツイーターとウーファーのAcoustic centerを合わすのが良いのでしょうね。次回スピーカーを製作する時は、ウーファーを少し前に取り付けたいと考えています。
しかし、部屋が狭いのと先立つものが無いので無理ですが。

つづきもあって欲しいです。有難う御座いました。
2016/10/02 13:55  yotappe  URL  #tHX44QXM  編集

Re: タイトルなし
yotappe様、こんばんは。

フラットバッフルでAcoustic centerが多少ずれている程度であれば、ネットワークを追い込めばReverse nullを出すことは可能ですが、いくらやってもReverse nullが出ない場合は物理的にAcoustic centerを合わせる必要があります。

ただ、段付きバッフルやウーファーにリングをはめるといった方法ではどうしてもツィータの反射・干渉が出るようで、私は好きではありません。市販スピーカーでも採用している例は殆ど無いですね。それよりもエンクロージャそのものを後傾させるほうが悪影響が少ないです。


> Iridium17 様
>
> 2Wayでも、ツイーターとウーファーのAcoustic centerを合わすのが良いのでしょうね。次回スピーカーを製作する時は、ウーファーを少し前に取り付けたいと考えています。
> しかし、部屋が狭いのと先立つものが無いので無理ですが。
>
> つづきもあって欲しいです。有難う御座いました。
2016/10/02 19:22  Iridium17  URL  #-  編集


Iridium17 様

ツイッターの周りはシビアですから、バッフルを傾ける方が良いのですか。

御教授有難う御座います。
2016/10/03 11:23  yotappe  URL  #tHX44QXM  編集

Re: タイトルなし
yotappeさん、こんばんは。

こちらに段差バッフルの実験データがあります。ご参考まで。

http://www.troelsgravesen.dk/stepped-baffle.htm




> Iridium17 様
>
> ツイッターの周りはシビアですから、バッフルを傾ける方が良いのですか。
>
> 御教授有難う御座います。
2016/10/03 19:48  Iridium17  URL  #-  編集


Iridium17 様

段差バッフルのアドレス有難う御座います。参考になります。

一つ疑問があるのですが。前々から疑問に思っていたのですが、位相を合わすためにどちらかのドライバーの極を逆にする場合があります。しかし、これは邪道ではないのでしょうか。確かにクロスオーバーで位相は合いますが、それは180°狂った間違った位相で合うだけの事ではないのでしょうか。私のレベルが低いのでお粗末な質問だと思いますが、如何のでしょうか。

2016/10/04 02:06  yotappe  URL  #tHX44QXM  編集

Re: タイトルなし
yotappeさん、こんばんは。

ご質問の件はとても重要なことです。セオリーとしては以下のようになります。

減衰スロープが1次(6dB/oct)の場合、クロスオーバーポイントでのWFとTWの位相は±45度ずれます。このときは同相でも逆相でも合成特性はフラットになります。

減衰スロープが2次(12dB/oct)の場合、クロスオーバーポイントでのWFとTWの位相は±90度ずれます。つまり両者の位相差は180度になりますので、どちらかのドライバを逆相にしてやらないと合成特性はフラットになりません。

減衰スロープが3次(18dB/oct)の場合、クロスオーバーポイントでのWFとTWの位相は±135度ずれます。両者の位相差は270度で、同相でも逆相でも合成特性はフラットになりますが、逆相の方が群遅延特性が若干良いようです。

減衰スロープが4次(24dB/oct)の場合、クロスオーバーポイントでのWFとTWの位相は±180度ずれます。両者の位相差は360度ですから、正相接続で合成特性がフラットになります。

なお、ここでいう減衰スロープはマイクでAcoustic slopeのことですので、ネットワーク回路が1次か2次かといった事とは直接関係ありません。

それと、人間の耳は位相の絶対値を識別できませんので、WFとTWの相対的な位相が合っているかどうかが問題になります。

上記のセオリーから外れた設計でフラットな周波数特性を得ることも可能ですが、それは邪道と言えるでしょうし、おそらく聴感上もどこか不自然さが残るのではないかと思います。

ちなみに今回小野のイベント用に設計したネットワークは邪道です(笑)


これでご質問の答えになっているでしょうか?



2016/10/04 19:51  Iridium17  URL  #-  編集


Iridium17 様

うわー、難しい。交流回路の勉強をやり直します。
勉強してから、また質問致します。

お返事有難う御座います。
2016/10/04 21:18  yotappe  URL  #tHX44QXM  編集

いばらの道ですね
Iridium17 様

 がんばってますね、私は根性無ですから、直ぐにデジチャンでアライメントを、弄ってしまいます。特に低域のL成分の音が難しいです。逆相接続で、Linkwitz-RileyのThird order辺りで微調節であわせられると思いますが、凄く大変ですね。でも、それも楽しい試練の道ですね。
2016/10/06 21:35  grigri  URL  #-  編集

Re: いばらの道ですね
grigriさん、こんばんは。

コメントと激励のお言葉ありがとうございます。

このグループの活動では個々のメンバーが製作した真空管アンプの聴き比べが重要なのでマルチアンプは最初から眼中に無いようです。そのおかげで私のようなパッシブネットワーク派が重宝されております。

先日、今年3月のPARCサウンド鑑賞会で発表した2ウェイを6BM8の超三シングルで鳴らしてもらいましたが、実に滑らかな鳴りっぷりで、真空管も良いものだなあと思いました。


> Iridium17 様
>
>  がんばってますね、私は根性無ですから、直ぐにデジチャンでアライメントを、弄ってしまいます。特に低域のL成分の音が難しいです。逆相接続で、Linkwitz-RileyのThird order辺りで微調節であわせられると思いますが、凄く大変ですね。でも、それも楽しい試練の道ですね。
2016/10/06 21:57  Iridium17  URL  #-  編集

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2016/10/07 11:54      #  編集

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2020/03/14 22:24      #  編集


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