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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  PARC Audio Project
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用語集の2つ目のお題はこれ。

4th order Linkwitz-Riley

Wikipediaによれば、

Fourth-order Linkwitz–Riley crossovers (LR4) are probably today's most commonly used type of audio crossover.

4次のLinkwitz-Rileyは今日最も一般的に使われるクロスオーバーネットワークである
(筆者註:ただし日本以外)


Fourth-order Linkwitz–Riley crossovers (以下、LR4)は24dB/octの減衰スロープを持ち、-6dBでクロスするタイプのネットワークです。Loudspeaker Design CookbookにはButterworth、Chebyshevといった各種フィルターの詳細な比較が記載されていますが、結論は至って簡単で、

2ウェイの場合は2kHz付近のLR4を使っておけばOK。他は考える必要なし。

というものです。LR4の利点は色々ありますが、私の理解では、

1)急峻な減衰特性のため、ドライバを低歪みで動作させることが出来る
2)ウーファーとツィータの位置関係やリスニングポイントの変化に対して寛容である
3)フラットバッフルでも位相合わせが可能(ただし設計の腕次第?)

といったところです。

これと対極をなすのが1st-order Butterworth、いわゆる6dB/octのクロスオーバーネットワークです。位相特性がリニアな唯一のフィルターであり、しかも部品点数が少なくて済むので、クロスオーバーネットワーク必要悪論者に言わせれば『シンプルイズベスト。しかるゆえにソナスファベールも採用してるのだ』ということになります。しかし、

1)緩やかな減衰特性のため、歪みが出やすい
2)ウーファーとツィータの位置関係やリスニングポイントの変化に対してシビア

という重大な欠点があり、Loudspeaker Design CookbookもZaph先生も推奨していません。そもそもコンデンサ1個入れただけでは1st-orderのAcoustic slopeは実現困難で、ソナスファベールは特注のツィータを使っているのだとか。


話はLR4に戻って、24dB/octだからといってLPF、HPFそれぞれにコイルとコンデンサが2個ずつ要るわけではありません。ドライバの減衰特性とフィルター回路の減衰特性の合成特性で24dB/octのAcoustic slopeが出来れば良いわけで、私の前作のSEASの場合など、LPFもHPFも2次の回路で済ませています。

http://www.hi-net.zaq.ne.jp/bugra101/X_over5.html

またSEASにしろScanspeakにしろ、欧州系のドライバはこういった使い方を前提としているようで、ツィータの低域をうまい具合に減衰させる設計になっているようです。

http://seas.no/index.php?option=com_content&task=view&id=54&Itemid=78
http://www.scan-speak.dk/datasheet/pdf/d2904-710002.pdf

その点、我がDCU-T115Sはちょっと低域が伸び過ぎのような気がします。


さて、この週末はFar Field測定を行う予定でしたが、この時期は忙しすぎて日曜も会社に出ないとダメみたいです。



(つづく)

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テーマ:オーディオ - ジャンル:趣味・実用

コメント


 確かに、1st-order Butterworthでは、クロスオーバ付近の音が賑やかで、楽しく聴けますが、澄んだ落とを聴くと、濁って聴こえます。 特に、クロスオーバーを高めにとると、顕著ですね。
 スピーカーメーカーは、ドライバーとネットワークを同時進行で設計するので、1st-ordeでも問題無いのでしょうが、既製品のドライバーでやりくりすると、そういう問題が生じるのでしょうか?
 Fourth-order LRだと、アライメントも取れるとのことですが、設計と調整が大変そうですね。
2014/03/12 10:38  seki  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
sekiさん、こんばんは。

>  確かに、1st-order Butterworthでは、クロスオーバ付近の音が賑やかで、楽しく聴けますが、澄んだ落とを聴くと、濁って聴こえます。 特に、クロスオーバーを高めにとると、顕著ですね。

なるほど。簡易なクロスオーバーを組んだものの良い結果が得られなくて、それでクロスオーバーネットワーク必要悪説が出てくるのかも知れないですね。

>  スピーカーメーカーは、ドライバーとネットワークを同時進行で設計するので、1st-ordeでも問題無いのでしょうが、既製品のドライバーでやりくりすると、そういう問題が生じるのでしょうか?

6dB/octではツィータに相当の負担がかかりますので、よほどタフなツィータでないと耐えられないと思います。そのためソナス・ファベールはDynaudioのEsotarの特注品を使っていたそうですが、これは高価なスピーカーシステムだけに許される特殊な例だと思います。殆どのスピーカーメーカーのドライバはOEMで、高級品はデンマークかノルウェー、中級品以下は台湾か中国でしょう。それらに合わせてネットワークを設計しているのが現状だと思います。

>  Fourth-order LRだと、アライメントも取れるとのことですが、設計と調整が大変そうですね。

あまり大きくないシステムであればLR4で位相アライメントを追い込むことが可能で、海外でもそういう作例が多いです。私の前作のSEASもフラットバッフルですがReverse nullが出ています。ただ、バッフルステップ補正と位相合わせが両立するようなクロスオーバーネットワークの設計はけっこう難しいです。

クロスオーバーネットワークの設計ですが、Speakerworkshopのシミュレーション結果はARTAでの実測値とぴったり合いますので、私はシミュレーションで定数を決めたらリスニングでの調整はしない主義です。乱暴と思われるかも知れませんが(笑)



2014/03/12 23:32  Iridium17  URL  #-  編集


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