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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  SEAS Excel Project
tags : 
ARTAではインパルス測定の結果からCumulative Spectral Decay(CSD)を求めることが出来ます。

CSDとはスピーカーへの入力が無くなった後の音量の減衰を時系列で表示したものです。本来、スピーカーへの入力が途絶えれば音も瞬時に消滅するはずですが、実際にはコーンの共振があったりすると仏壇の鐘がちーんと鳴るように余韻が残ります。当然こういった余韻は余計な付帯音や音離れの悪さといった形で悪影響を与えます。

さて、こちらが右チャンネルのCSD。私はまだCSDの良し悪しを語れるほど目が肥えていないのですが、5kHzから上がすぱっと消えているので、まあまあ良い部類ではないでしょうか。聴感上もSEAS Excelの音離れの良さと言うか、スピーカーの存在を感じさせない独特の鳴り方はこういった特性が関係しているのでしょう。

right_CSD_480.jpg


こちらが左チャンネル。右チャンネルと良く合っています。

left_CSD_480.jpg


参考までに、こちらはネットワークを通さない裸のW15CY001のCSDですが、8.3kHzのBreak-up nodeとその高次の共振があまりに激しすぎてグラフのレンジを変えないと表示できませんでした。裸ではこんなに荒々しいW15CY001ですが、高次のクロスオーバーネットワークやノッチフィルターでBreak-up nodeさえうまく処理してやれば、マグネシウムコーンの剛性の高さが活きて上記のように良好なCSDが得られます。

W15CY001_CSD480.jpg


ちなみに、こちらはTangBand W3-315SCのCSD。W15CY001ほどではないにせよ、ずいぶん賑やかです。いかに小口径と言えどもフルレンジの高音の質には限界があるように思います。

W3-315SC_CSD480.jpg


さて、以上でクロスオーバーネットワーク再製作後の特性評価は終わりです。

本来ならここでスピーカーシステムの完成なのですが、Far field特性に低域のNear field特性をMergeするためにポートレスポンスを測ってみると、何やら盛大に定在波が立っているようで、これを直さなければいけません。

というわけで、次回からは吸音材の再調整とポートレスポンスの測定編が始まります。



(この章おわり)
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テーマ:オーディオ - ジャンル:趣味・実用

コメント

バスダクト
Iridium17 様

1.折り曲げ
90度折り曲げた場合、中心線の長さがダクト長になるのでしょうか。

2.ダクトの形状
木材で製作するのですが、極わずか外に行くほど断面を広くする方が良いのでしょうか。市販されているプラスチックのダクトは、その様になっているものがあります。
(端部は、フレアーと言うのでしょうか、アールを付ける方が良いとは、以前お伺いいたしました。)

長く暖めていた疑問です。お手数ですが、御時間の許される時に御教授願います。
   

2012/11/10 07:05  神戸の弥太っぺ  URL  #tHX44QXM  編集

Re: バスダクト
神戸の弥太っぺ様

こんにちは。

> 1.折り曲げ
> 90度折り曲げた場合、中心線の長さがダクト長になるのでしょうか。

良く分かりませんが、たぶんそうでしょう(笑)
私はポート長の計算式は目安程度と考えて、インピーダンス測定でチューニング周波数を見ながらポート長を調整しています。

> 2.ダクトの形状
> 木材で製作するのですが、極わずか外に行くほど断面を広くする方が良いのでしょうか。市販されているプラスチックのダクトは、その様になっているものがあります。

私が使っているParts expressのフレアポートも若干テーパー状になっていますが、製造上の都合(金型から抜けやすいようにとか)でそうなっているのではないかと思います。特性にはあまり影響はないと思います。

さて、私のほうもバスレフ動作が変なことになっているので、この週末に実験をしようと思っているところです。

2012/11/10 15:22  Iridium17  URL  #-  編集


Iridium17 さん

 吸音材のご報告楽しみにしています。
 
 今まで吸音材には、配慮していませんでした。最近にBOXからの反射音を消すために、相当量(過剰)の吸音材を使用ています。個人的ですが、結構澄んだ音になり、録音時に近い音と思っています。

 宜しくお願い致します。

 今井 明
2012/11/10 21:54  今井 明  URL  #K1.ywBjI  編集

Re: タイトルなし
今井さん

こんばんは。

吸音材の調整は難しいですね。

この土日はARTAでポートレスポンスを測りながらフェルトを切っては貼りを繰り返してました。バッフルの固定ボルトを何回緩めたり締めたりしたことか(笑)

うちの場合、吸音材を増やしても定在波が消えてくれないし、ポートチューブの共鳴やらバッフルとキャビネットの間のエア漏れやら、それも左右で症状が違うし、変なことが色々起こっているようです。

おかげでしばらくブログネタには困らないと思います。

2012/11/11 22:51  Iridium17  URL  #-  編集

バスダクト
Iridium17 様

1.バスダクト
バスダクトの説明有難う御座いました。

2.エアー漏れ
Iridium17 様が今井様宛に書かれています上の説明で気になったことが御座います。
それは、以前ボックスを作成時にバッフルとボックスが接する隅を段があるので面一に削っていられました。それは、問題ではないかと思っていました。何故かと申しますと、バッフルは、削った所と接しているのではないでしょうか。その外周側と面一にすることで隙間が出来たのではないでしょうか。

私は、ブログの写真しか見ていませんし、そちらのボックスについても良く知りません。そして、経験もありませんので的外れな可能性が高いので聞き流して頂ければと思います。

記事 2010.03.07の写真です。

バスダクトの解説有難う御座いました。
2012/11/12 00:28  神戸の弥太っぺ  URL  #tHX44QXM  編集

Re: バスダクト
神戸の弥太っぺ様

こんばんは。

ご説明頂いた内容がちょっと分かりづらいのですが、いずれにせよあの部分の面当たりの悪さが原因だと思います。

詳細は記事の方で...

2012/11/12 23:10  Iridium17  URL  #-  編集


スピーカー再生技術研究会の掲示板を見て来ました。
ARTAでの測定について今度教えて下さい。
2012/11/13 01:11  reira  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
reira様

こんばんは。

ARTAについてのご要望が多いようですので、いずれ簡単なマニュアルを書ければいいなと思っています。いつになるか分かりませんが(笑)

2012/11/13 21:56  Iridium17  URL  #-  編集


フルレンジのCSDは共振が目立ち
ウーファーやツィーターのそれと比べるとあまり良くないようですが
実際音楽を聞いて音色の違い、フルレンジは雑味のある感じしますか
200-4000Hzとか帯域制限をして比較するとどうでしょうか
2013/01/26 04:12  reira  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
reiraさん、こんばんは。

浄水器の水を飲んでも何も感じないけれど、その直後に水道水を飲んでみると雑味を感じる、そんな感じでしょうか。フルレンジは細かな音のニュアンスや余韻が失われるように感じます。ちなみに私自身はLE-8Tを永年愛用していたほどのフルレンジ大好き人間でした(過去形)。

200~4000Hzというのはフルレンジを3ウェイのミッドレンジとして使うイメージでしょうか。

> フルレンジのCSDは共振が目立ち
> ウーファーやツィーターのそれと比べるとあまり良くないようですが
> 実際音楽を聞いて音色の違い、フルレンジは雑味のある感じしますか
> 200-4000Hzとか帯域制限をして比較するとどうでしょうか
2013/01/26 22:38  Iridium17  URL  #-  編集


フルレンジの音調は私もそう思います
周波数特性、高調波歪み、指向特性、何が原因と
立ち下りが悪いからじゃないかと思いました

どれだけ立ち下りが良ければ十分なのだろうと質問してみました
W3-315SCの2~3kHzは少し賑やかです
W3-315SCは下が出ない、上は指向性が悪くなり
周波数特性に癖が出てきそうなので
音楽をイコライザなどで帯域制限をして比べるとどうでしょうか
2013/01/27 13:30  reira  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
reiraさん、こんばんは。

いかに小口径のフルレンジであってもドームツィータと比べれば桁違いに振動板の質量が大きいでしょうから、CSDに現れるような立ち上がり・立ち下がり特性はどうしても悪くなるのでしょうね。

日本ではクロスオーバーネットワーク=悪という思想が根強いので、いまだにウーファーの高域を切らないで出しっぱなしにしている作例を見かけますが、私はナンセンスだと思います。海外の作例ではウーファーの高域はなるべく低いクロスオーバー周波数で高次のネットワークを使ってばっさり切ってしまうのが主流です。

イコライザで帯域制限をしたらどうなるか...スピーカーの良し悪しはCSDだけではなく、非線形歪みの問題もありますから、一概には言えません。

それと、フルレンジに対してバッフル補正をする人はまずいないでしょうから、ほとんどの場合、中域が盛り上がった特性になります。そういった問題も含めて、フルレンジは入門用か趣味と割り切って使う物ではないかと思います。

> フルレンジの音調は私もそう思います
> 周波数特性、高調波歪み、指向特性、何が原因と
> 立ち下りが悪いからじゃないかと思いました
>
> どれだけ立ち下りが良ければ十分なのだろうと質問してみました
> W3-315SCの2~3kHzは少し賑やかです
> W3-315SCは下が出ない、上は指向性が悪くなり
> 周波数特性に癖が出てきそうなので
> 音楽をイコライザなどで帯域制限をして比べるとどうでしょうか
2013/01/27 21:12  Iridium17  URL  #-  編集


ウーファーの帯域でもSEASの方がリニアリティに優れた特性ですね
クロスオーバーで不要帯域はしっかりカットした方が良いですね
チャンデバのスロープを12dB/octから24dB/octに切り替えると断然良かったです
12dB/octでは中音がぼやけて聞こえて、メーカー
既製品のスピーカーも大体2次だしそんな音でした
Iridium17さんの作品はドライバの特性に合わせて
24dB/octのスロープが得られていて濁りの無い綺麗な音が想像されます
2013/01/28 00:30  reira  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
reiraさん、こんばんは。

おっしゃるように、クロスオーバーで不要帯域はしっかりカットした方が良いです。
というか、ヨーロッパ製のユニットはそういう使い方を前提に設計されているようです。
SEASのメタルコーンはどれも、なんじゃこれ!というような裸特性をしてますから。

あと、クロスオーバーでの位相合わせも重要だと感じています。

> ウーファーの帯域でもSEASの方がリニアリティに優れた特性ですね
> クロスオーバーで不要帯域はしっかりカットした方が良いですね
> チャンデバのスロープを12dB/octから24dB/octに切り替えると断然良かったです
> 12dB/octでは中音がぼやけて聞こえて、メーカー
> 既製品のスピーカーも大体2次だしそんな音でした
> Iridium17さんの作品はドライバの特性に合わせて
> 24dB/octのスロープが得られていて濁りの無い綺麗な音が想像されます
2013/01/28 23:13  Iridium17  URL  #-  編集


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