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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  オーディオ
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これまでの記事で、

・ クロスオーバーネットワークの設計とは、所望のAcoustic slopeが得られるようなフィルター回路を設計すること

と書きました。では、具体的にどうすればよいのかというと、

① ユニットの周波数特性(音圧特性、位相特性)を測定する
② Electrical slope(フィルターの伝達関数)求めて①と掛け合わせる


をやれば良いのです。①は詳細は別項に譲りますがインパルス応答測定を行えば家庭でも疑似無響室測定が可能ですし、そのための投資は3万円ほどで済みます。ただし、測定ソフトウェアの要件として

・ Gated measurement(時間軸上で部屋の反射成分を除外する)ができること
・ 測定結果をテキストファイルにエクスポートできること

があり、残念ながらこれを満たす日本語ソフトウェアは存在しません。MLSSAなどの高価な市販ソフトウェアを除けば、現状ではARTAが最も安価(79EURO)で信頼性の高いソフトウェアと言えます。

②の操作は電卓やExcelではほぼ不可能で、VituixCADのような統合設計ソフトウェアを使うのが普通です。こちらはフリーウェアです。

どうですか?

  めんどくさい?

  敷居が高い?

まあ、そうとも言えますが、なぜ私がしつこく拘るかというと、実際にやってみると測定とシミュレーションによる設計はとても面白いのです。さらに、Scan SpeakやPeerless、SB Acousticsといった世界のユニットがスピーカー作りの選択肢に加わるというメリットもあります。マスターブックの序章に書いた「これまで知らなかった新しいスピーカー作りの楽しさを知ることが出来る」とは、このことです。

さて、クイズの答です。こちらは拙宅で測定したScan Speak R2604/8320の周波数特性ですが、低域は黄色の破線で示した12dB/octに近いスロープで減衰しています。

R2604

つまり、

 ・6dB/octのAcoustic slopeはほぼ実現不可能

 → フィルターを挿入する余地が無いので当然無理ですね。6dB/octを標榜する市販スピーカーは数多くありますが...

 ・12dB/octのAcoustic slopeはごく限られたユニットでしか実現出来ない

 → こちらは少し説明を要します。海外ではWaveguideと6dB/octのフィルターの組み合わせで12dB/octのAcoustic slopeを実現している作例があります。ただしWaveguideの市販品が少ないこと、Waveguideとツィータの適合性が難しい、などハードルが高い技術ですが、いつかトライしてみたいものです。



(つづく)


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