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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  オーディオ
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前の記事で、マルチウェイスピーカーの特性は

Acoustic slope = Electrical slope(フィルターの伝達関数) × ユニットの周波数特性(音圧特性、位相特性)

で考えるべきことを指摘しました。音圧特性がこの関係に従うことは容易に理解できるでしょう。

では、位相特性はどうでしょうか?

それは、たとえばElectrical slopeが12dB/oct、ユニットの周波数特性が12dB/octとすると、その合成特性である24dB/octのAcoustic slopeの位相特性は理論的な24dB/octのフィルターと同じ位相特性を示すのか?

という疑問です。

私の知る限り、この疑問にズバリ答えている書籍はマスターブックしかないのですが、答は

 YES

です。

つまり、ユニットとフィルターの特性がどうであれ、最終的なAcoustic slopeが24dB/octであれば位相特性もそれに従うのです。

実験的な証拠を示します。

これはうちのIlluminatorのクロスオーバーネットワークです。インピーダンス補正やノッチフィルターが入っているので少々分かりにくいですが、LPFが12dB/oct、HPFが18dB/octのフィルター回路になっています。一見すると変則的なネットワークに見えますが、これがユニットの特性に加わるとウーファー、ツィータともに24dB/octのAcoustic slopeになります。

Illuminator_NW480

WF_TWスロープ


このときの合成特性は、ウーファーとツィーターが正相接続でフラットになります。

L=150cm_Normal_480


またウーファーとツィーターが逆相接続のときには深いディップが生じます。

L=150cm_Reverse_480


つまり、LPFが12dB/oct、HPFが18dB/octといった一見変則的なネットワークであっても、ユニットの特性を含めたAcoustic slopeが24dB/octであれば、その位相特性は理論的な24dB/octのフィルターと同じになることが分かります。

まとめると、

  スピーカーの特性(音圧特性、位相特性)はAcoustic slopeで決まる

ということです。したがってクロスオーバーネットワークの設計とは、所望のAcoustic slopeが得られるようなフィルター回路を設計することに他なりません。

じゃあ、どうすれば良いのか?は次の記事で述べたいと思いますが、その前にクイズです。

実は、

 ・6dB/octのAcoustic slopeはほぼ実現不可能
 ・12dB/octのAcoustic slopeはごく限られたユニットでしか実現出来ない

という厳しい現実がありますが、これは何故でしょうか?

簡単ですね。



(つづく)










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