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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  オーディオ
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では、Acoustic slopeとは何かというと、

Electrical slope(フィルターの伝達関数) × ユニットの周波数特性(音圧特性、位相特性)

となります。あたりまえですね。

ユニットの音圧特性が平坦でないことは誰でも知っていますが、位相特性の影響はどのぐらいあるのでしょうか?

以下は、拙宅でARTAで測定したウーファーとツィーターの周波数特性と位相特性です。どちらのユニットも周波数の上昇とともにどんどん位相が遅れ、200~20kHzの範囲でほぼ360度位相が回っていることから、ユニットの位相特性は決して無視できないほど大きいことが分かります。

なお18W8531G00の位相が7kHzで急変しているように見えますが、これは位相遅れが-180度を超えたときに一周回って表示されるというグラフ上の都合で、実際の位相は連続的に変化しています。

Scan-Speak 18W8531G00の周波数特性と位相特性
WF_Phase

Scan-Speak R3004/662000の周波数特性と位相特性
TW_Phase

こういったデータを見れば、マルチウェイスピーカーの特性をネットワーク単体の伝達特性だけで議論するのは意味が無いことがよく分かるでしょう。

最初に示した、

・6dB/octのネットワークは位相ひずみがなく、元の波形を再現できるので理想的
・12dB/octのネットワークは理論的にはウーファーとツィーターを逆相接続する

といった議論はこう言い換えるべきなのです。

・6dB/octのAcoustic slopeは位相ひずみがなく、元の波形を再現できるので理想的
・12dB/octのAcoustic slopeは理論的にはウーファーとツィーターを逆相接続する



(つづく)



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