2018/08/04
共立電子オリジナル パイオニア製10cmダブルボイスコイルフルレンジユニット
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去る7月22日にStereo x パイオニア x 共立電子 3社共催クラフトオーディオイベントに参加して、こんなユニットを入手しました。デジット/エレショップでおなじみ大阪日本橋の共立電子産業さんのオリジナルユニットです。
http://blog.digit-parts.com/archives/52056320.html
このユニットにはボイルコイルが二つあり、色々な使い方ができるそうなので、特性を測定してみました。

測定の前に、40Hz/2.45Vの正弦波を与えて24時間の慣らし運転(Break-in)をしておきました。

フリーエア測定でT/Sパラメータを求めてみました。

まず最初に片方のボイスコイルのみで測定して見ました。もう一つのボイスコイルはオープンの状態です。

Fs, 141.22, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.95, -
Qes, 1.07, -
Qms, 8.51, -
おやおや、ずいぶんQtsが高いですね。これではバスレフはおろか密閉でもちょっと厳しいかも。
次に二つのボイスコイルをパラレルにして測定してみました。

Fs, 142.36, Hz
Re, 3.32, ohms[dc]
Qt, 0.51, -
Qes, 0.55, -
Qms, 8.49, -
Qtsが大きく下がり、データシートの値とほぼ一致しました。よく見るとQmsはほとんど変わらず、Qesが小さくなっています。
今度は二つのボイスコイルをシリーズ接続にして測定してみました。

Fs, 143.37, Hz
Re, 13.28, ohms[dc]
Qt, 0.52, -
Qes, 0.55, -
Qms, 8.23, -
やはりQtsが大きく下がり、データシートの値とほぼ一致しました。先ほどと同じくQmsはほとんど変わらず、Qesが小さくなっています。
パラレル、シリーズいずれの場合でも2つのボイスコイルを使うことで電磁制動が高くなり、Qesが下がってQtsも下がると言うことなのでしょう。このユニットはパラレルかシリーズのどちらかで使うのが本来の使い方なのかも知れません。
今度は二つのボイスコイルの片方を逆相にしてシリーズ接続にして測定してみました。

はい、このとおり駆動力が打ち消し合うのでコーンが振動せず、スピーカーとして動作していません。この特性を利用してステレオ信号のモノラル成分を打ち消し、スピーカーマトリクスによる疑似サラウンドができるそうです。
今度は片側のボイスコイルをショートの状態にして、もう片方のボイスコイルのみで測定してみました。こうすることで電磁制動がかかるはずです。

Fs, 145.54, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.52, -
Qes, 1.08, -
Qms, 1.01, -
ほー...
Qtsはパラレルやシリーズのときと同じぐらいですが、今度はQesはあまり変わらずQmsが大幅に小さくなった結果Qtsが下がっています。Qesが小さくなってQmsは変化無しと予想していたのですが、通電していない方のボイスコイルによる電磁制動なので、通電している方のボイスコイルから見れば機械制動に見えるわけですね。
最後に、片側のボイスコイルを6Ωの抵抗でダンプして、もう片方のボイスコイルのみで測定してみました。

Fs, 146.47, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.68, -
Qes, 1.08, -
Qms, 1.81, -
先ほどよりもQmsが少し大きくなり、ボイスコイルオープンとショートの中間ぐらいのパラメータになりました。Qesは変わらずです。
といわけで、ボイスコイルの接続やダンプの仕方によってQesやQmsが変化する様子を捉えることができました。
なかなか勉強になりますね。
(この章おわり)
http://blog.digit-parts.com/archives/52056320.html
このユニットにはボイルコイルが二つあり、色々な使い方ができるそうなので、特性を測定してみました。

測定の前に、40Hz/2.45Vの正弦波を与えて24時間の慣らし運転(Break-in)をしておきました。

フリーエア測定でT/Sパラメータを求めてみました。

まず最初に片方のボイスコイルのみで測定して見ました。もう一つのボイスコイルはオープンの状態です。

Fs, 141.22, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.95, -
Qes, 1.07, -
Qms, 8.51, -
おやおや、ずいぶんQtsが高いですね。これではバスレフはおろか密閉でもちょっと厳しいかも。
次に二つのボイスコイルをパラレルにして測定してみました。

Fs, 142.36, Hz
Re, 3.32, ohms[dc]
Qt, 0.51, -
Qes, 0.55, -
Qms, 8.49, -
Qtsが大きく下がり、データシートの値とほぼ一致しました。よく見るとQmsはほとんど変わらず、Qesが小さくなっています。
今度は二つのボイスコイルをシリーズ接続にして測定してみました。

Fs, 143.37, Hz
Re, 13.28, ohms[dc]
Qt, 0.52, -
Qes, 0.55, -
Qms, 8.23, -
やはりQtsが大きく下がり、データシートの値とほぼ一致しました。先ほどと同じくQmsはほとんど変わらず、Qesが小さくなっています。
パラレル、シリーズいずれの場合でも2つのボイスコイルを使うことで電磁制動が高くなり、Qesが下がってQtsも下がると言うことなのでしょう。このユニットはパラレルかシリーズのどちらかで使うのが本来の使い方なのかも知れません。
今度は二つのボイスコイルの片方を逆相にしてシリーズ接続にして測定してみました。

はい、このとおり駆動力が打ち消し合うのでコーンが振動せず、スピーカーとして動作していません。この特性を利用してステレオ信号のモノラル成分を打ち消し、スピーカーマトリクスによる疑似サラウンドができるそうです。
今度は片側のボイスコイルをショートの状態にして、もう片方のボイスコイルのみで測定してみました。こうすることで電磁制動がかかるはずです。

Fs, 145.54, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.52, -
Qes, 1.08, -
Qms, 1.01, -
ほー...
Qtsはパラレルやシリーズのときと同じぐらいですが、今度はQesはあまり変わらずQmsが大幅に小さくなった結果Qtsが下がっています。Qesが小さくなってQmsは変化無しと予想していたのですが、通電していない方のボイスコイルによる電磁制動なので、通電している方のボイスコイルから見れば機械制動に見えるわけですね。
最後に、片側のボイスコイルを6Ωの抵抗でダンプして、もう片方のボイスコイルのみで測定してみました。

Fs, 146.47, Hz
Re, 6.86, ohms[dc]
Qt, 0.68, -
Qes, 1.08, -
Qms, 1.81, -
先ほどよりもQmsが少し大きくなり、ボイスコイルオープンとショートの中間ぐらいのパラメータになりました。Qesは変わらずです。
といわけで、ボイスコイルの接続やダンプの仕方によってQesやQmsが変化する様子を捉えることができました。
なかなか勉強になりますね。
(この章おわり)