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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  PARC Audio Project
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リビングに移して1週間鳴らし込みましたが、9時のNHKニュースのアナウンサーの声のヌケがどうも悪いので、特性をもう一度見直しました。実はSpeaker workshopのシミュレーションに使っているドライバのFRDファイルも少々怪しいので、昨年の鑑賞会のあとにARTAで測定し直したインパルス応答を再解析してFRDファイルを作り直しました。

見直しの結果、300Hzから5kHzの帯域が弓なりに凹んでいるのが分かりました。声のヌケの悪さの原因はたぶんこれでしょう。この帯域を2dBほど持ち上げてフラットに近づけたところ、声のヌケの悪さはほぼ解消され、全体に切れ味が良くなりました。

巷では、周波数特性はあまり重要ではない、といった意見も目にしますが、私の経験では人間の耳が最も敏感な数百Hzから5kHzあたりのフラットネスというか『うねり』は聴感に大きな影響を与えます。2dBも変化すれば激変と言えるレベルで、最終的なファインチューニングの段階では聴感で合わせ込んだ結果をあとでSpeaker workshopで計算してみたら実は0.5dBしか変わってなかった、なんてこともあります。

さて、こちらが調整後の回路。ヒトゲノム解読ではないですが、この回路のシミュレーションも数千回(たぶん?)実行しているので、どこをどういじれば何がどう変わるかはだいたい解読済みです。

その応用例を紹介しておきます。

調整後160123の回路


こちらはLPHのL1を変えたときで、バッフルステップ補正量が変化して300~5kHzのレベルが変化します。実は今回の調整がこれで、赤の1.3mHから緑の1.1mHに変更しています。このレベルの調整をするには市販のE6系列はおろかE12系列でも設定精度が足らないので、私は1%級フィルムコンを使って共振周波数をLIMPで測定しながら巻き戻して調整しています。

調整後160123


こちらはHPFのQダンプ抵抗(R4)を変えたときで、緑が47Ω、赤が30Ωです。4~10kHzのレベルが変化してキラキラ感とか弦の艶感が変化しますが、過剰になるとキツさが耳に付くようになります。

調整後47_30


こちらはHPFのアッテネータ抵抗(R3)を変えたときで、緑が10Ω、赤が12Ωです。5kHzから上のレベルが変化していわゆる繊細感が変化しますが、過剰になるとチリチリ感が耳に付くようになります。

調整後10_12

いわば人間パラメトリックイコライザーですな。

ここまでは周波数特性に関しての話ですが、実際にはクロスオーバーポイントが目標値から乖離していないか、左右対称できれいなReverse nullが出るか(これがやっかい)、といったこともSpeaker workshopでチェックしながら定数を追い込んでいます。上の回路図でC2とC3の値が以前と微妙に変わっていているのはそのためです。

周波数特性が煮詰まってくると今度はパーツの選択による味付けが気になってきます。今回は中低音の厚みを狙ってLPFにPARCのバイポーラコンを投入していますが、それとは別に高音が少々ささくれ立つ感じが気になるので、今度はHPFの2つのフィルムコンを別のブランドに変えてみることを思案中です。



(つづく)


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