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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

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普通の部屋でスピーカーの周波数特性を測定しようとしても、床や壁からの反射音が干渉して正しい測定が出来ません。スピーカーの周波数特性を正確に測定する方法は二つ。

  ① スピーカーを無響室に持ち込んで測定する
  ② インパルス応答測定を使って疑似無響室測定を行う

①は無理な話ですから、ここは②を選択することになります。

インパルス応答測定を応用した疑似無響室測定(Gated measurement)は人類の英知の結晶、スピーカービルダーの宝と呼びたいぐらい素晴らしい技術です。

これまで何度かブログやこちらでも触れていますが、改めて測定原理を説明します。

下図は拙宅でのインパルス応答測定のセットアップです。マイクとスピーカーの距離を1m、ドライバの高さを1.2mとすると、床で反射された音波が伝搬する距離は1.3m×2=2.6mとなります。つまり反射波は直接波よりも2.6m-1m=1.6mだけ長い距離を伝搬してマイクに到達します。ここで音速を340m/sとすると、音波が1.6mの距離を伝搬するのに要する時間は4.7msとなりますから、反射はは直接波よりも4.7ms遅れてマイクに到達することになります。

スライド1_480.jpg


その様子を捉えたのがこちらのデータ。おととい拙宅で測定したDCU-T151Sのインパルス応答です。8.9ms以降に現れる強いピークが直接波、それが減衰したあと13.4ms付近から立ち上がるのが反射波です。このときの時間差は4.563ms。上記の計算と良く合っています。

TW impulse response_485.jpg


このインパルス応答をフーリエ変換すれば周波数特性が得られるのですが、ここで全時間領域をフーリエ変換するのではなく、直接波の時間領域のみをフーリエ変換すると、反射波の影響を排除したデータを得ることが出来ます。つまり擬似的に無響室で測定したのと同じデータが自宅で得られるわけです。これがスピーカービルダーの宝と呼びたくなる所以です。

ARTAを用いた実際の測定では、フーリエ変換の対象とする時間領域を黄色のカーソルと赤のマーカーで区切って定義します。カーソルとマーカーで区切られた領域をGate、このようにして行う測定をGated measurementと呼びます。

この方法で測定したDCU-131AとDCU-T115Sの疑似無響室特性を次に示します。



(つづく)



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