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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  PARC Audio Project
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MDFの加工を待つ間のお勉強、第二弾です。

一昔前の自作スピーカー界ではネットワークコイルと言えば空芯コイルが最高、コア入りコイルは安物という風潮が支配的でしたが、最近はPARC AudioやA&Cオーディオからコア入りのコイルが発売され、少しは認識が変わってきたのではないでしょうか。ちなみに欧米ではバッフルステップ補正のために大きなインダクタを使う作例が多く、DCRの低いコア入りコイルがよく使われています。私のSEAS Excel 2ウェイでもErseのSuperQという積層鋼板コア入りコイルを使っています。

コア入りコイルで気を付けないといけないのはコア材の磁気飽和による歪みです。主な軟磁性材料の飽和磁束密度はこんな感じです。

・ 純鉄    ~2.0T(テスラ)
・ 積層鋼板  ~1.8T
・ フェライト ~0.5T 

http://nanoc.imr.tohoku.ac.jp/research.html

純鉄は飽和磁束密度は高いのですが、電気抵抗が低いので渦電流が生じて高周波特性が悪くなります。そこで純鉄系コアは絶縁皮膜処理を施した鉄粉を圧縮成型して製造されています。Permiteというコア材がこれのようです。見た目は金属光沢をしていますが単なる鉄の塊とは違います。

http://sokeizai.or.jp/japanese/publish/200706/201108tokuoka.pdf

積層鋼板は圧延と熱処理によって磁化容易方向が揃うように製造されており、鉄鋼屋さんによれば鉄の芸術品なのだそうです。渦電流を避けるために薄い鋼板を積層した構造になっていますが、打ち抜き加工の際に歪みが入るのでアニール処理によって結晶性を回復させます。銅線に加工歪みが入ってもDC抵抗がちょっと上がるだけですが、電磁鋼板の場合はヒステリシスによる歪みが発生するので被害は甚大です。

http://www.erseaudio.com/Products/SuperQCoils

フェライトはマンガンや亜鉛の酸化物からなり、おなじみの黒い外観をしています。電気抵抗が非常に高く渦電流が生じないので高周波特性が優れていますが、飽和磁束密度が低くネットワークコイルには向きません。今でもオーディオ専門店で普通に売られていますが。

http://www.tdk.co.jp/tfl/ferrite/pc90/index.html


コイルの形状に関する話題は次回に。



(つづく)




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