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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  SEAS Excel Project
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この記事の中に登場するSpectral Contaminationを直訳すると『音響スペクトル中の汚染』という意味になります。

http://www.audioxpress.com/reviews/media/dappolito2640.pdf

通常、スピーカーに単一周波数のサイン波を与えると、その整数倍の周波数の歪みが発生します。いわゆる高調波歪み、Harmonic Distortionですね。また複数の周波数のサイン波を与えると、それぞれの周波数の和や差に相当する周波数の歪み成分が発生します。これが混変調歪み、Intermodulation Distortionというやつです。

それに対し、Spectral Contaminationは入力成分とは無関係の成分が出てくる、いわばスピーカーから出る雑音です。この記事では、スピーカーに1.5オクターブ間隔で17のサイン波を同時に与え、その間に変な成分が出現しないかを調べています。雑音の原因としては、磁気ギャップ中での空気の乱流や、機械的なヒステリシス等が考えられる、としています。

私はかねてから、スピーカーからは何らかの雑音が出ているのではないかと思っていました。たとえば昔から『紙臭い』と評されるスピーカーがありますが、我々は日常生活の経験から新聞紙をくしゃくしゃにしたり擦り合わせたりしたときの音を記憶しており、コーンが振動するときに紙の繊維が擦れる音が一緒に出ているのを紙臭いと感るのではないでしょうか。

そういう観点からスピーカーの振動板材料を考えると、紙のような繊維質よりも金属のように原子レベルで緻密な構造を持った材料が適しているように思えます。うちのTangBandの安いアルミコーンフルレンジが雑味のない澄んだ音を出すのはこういった点にも理由があるのかも知れません。

ところでSpectral Contaminationはスピーカーだけでなく、Jensen Transformers(ネットワークコイルで有名なJENTZENではなくオーディオトランス屋さんの米国JENSEN社)がAESに発表した論文で取り上げており、日本ではオーディオデザインが自社のウェブサイトのコラムで非高調波ひずみという表現で触れています。こういった研究がさらに進展することを期待します。


さて、またSEAS Excel Projectに戻ります。


(つづく)


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