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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  謎のオーディオ
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当ブログのアクセス解析を見ると『ダブルバスレフ』という検索キーワードでいらっしゃる方が後を絶ちません。ダブルバスレフという形式はよほど注目されているのでしょう。

しかし当ブログでも書いたように、ダブルバスレフが通常のバスレフよりも低音再生の面で有利であるという技術的な根拠は見あたりません。また海外の自作サイトでダブルバスレフの作例はほとんど見たことがありません。この現象は客観的に見て『日本の常識は世界の非常識』と言うべきでしょう。


ダブルバスレフに関する私の見解は以下のエントリーにまとめてあります。

http://iridium17.blog96.fc2.com/blog-entry-34.html


ダブルバスレフを計画中のみなさん、悪いことは言わないから通常のバスレフを極める道を選びなさい。Speaker Workshopを立ち上げてT/Sパラメータを実測し、WinISDでも走らせた方がよっぽどまともなスピーカーができあがります。さらにSkype用のマイクでもあればNear Field Measurementが楽しめますよ。


(この章おわり)


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クライオ処理というのがあって、いわく、信号ケーブルとかコンセントとかヒューズとか、要するに電流を流す導体にクライオ処理を施すことで『音が良くなる』のだそうです。その理屈は、金属を極低温にまで冷却することによって結晶構造が綺麗に再配列し、電気抵抗が減少するため、と説明されています。

とりあえずここでは、銅やアルミといった導体として使われる純金属に限定しますが、金属を低温に冷却すると結晶格子の振動が小さくなり、電子の散乱が少なくなって電気抵抗が低下します。これは古くから実験的にも理論的にも解明されている事実なので、その限りにおいてクライオ処理の宣伝はウソではないのですが、問題はここからです。

低温に冷却した金属を室温に戻すと、抵抗値は元に戻ります。再び冷却すると抵抗値は減少し、また室温に戻すと抵抗値も元に戻ります。つまり完全に可逆的な振る舞いをします。また銅やアルミの結晶構造は室温以下の温度域では変化しません。これら金属の結晶構造や電気抵抗と温度の関係は古くから調べられており、金属学の基礎のひとつになっています。

つまりクライオ処理とは、『低温で金属の抵抗値が減少する』という、うれしい事実にのみ目を向けて、『室温に戻せば抵抗値も元に戻る』というもう一つの冷徹な現実からは目をそらした結果の産物なのです。クライオ処理を推奨するオーディオショップがこのことを知らなかったとすれば、あまりに無邪気な話ですし、妄想がいつの間にか一人歩きするという点においてダブルバスレフと相通じるものがあります。要するに、オーディオ界ではありがちな話です。

一方、知っていて宣伝を続けているとすれば、これは立派な詐欺ではないでしょうか。なにしろ食品の産地偽造が社会問題になるぐらいですから。


今日の結論はこれ。

クライオ処理で音が良くなる理由は、黄色い財布の中にカエルのお守りを入れておくのと同じ原理である。


※ 例外として、鋼材の熱処理のひとつにサブゼロ処理というものがありますが、これは鋼を硬くするためのマルテンサイト変態(いわゆる焼き入れ)を完全に行うための処理で、電気伝導とは無関係の話です。


SEAS Excel Projectに戻ります。

(つづく)



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