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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  TangBand Project
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ダブルバスレフに関して、Claudio Negroという人が私よりもまともな解析をHPにまとめているのを知りました。

彼によると、Double Chamber Reflex (DCR)に関する最初の論文は1961年に発表されており、その後いくつかの解析を経てDavid B. Weemsの本にまとめられているようです。

彼が取り上げているDouble Chamber Reflexには第1チャンバーにも外向けのダクトがあり、第1~第2チャンバー間と第2チャンバーの外向けダクトを含めて全部で3本のダクトがあります。彼によると、DCRのメリットは、

『チューニング周波数付近でコーンの振幅が少なくなり、歪みが低下する』

ことだそうです。ただ、これは通常のバスレフでも同じですね。

また日本のダブルバスレフで言われるような、低域特性を補強するといった考え方はないようです。

一方、DCRのデメリットは、

『チューニング周波数付近にディップを生じる。ただしそれはそんなにひどくないし、そもそも人間の耳はディップに対しては敏感ではないので気にしなくて良い』

のだそうです。そう言われてもねぇ...


私にはダブルバスレフト採用するメリットが分かりません。どうしてもダブルバスレフに拘りたい方は、いちどWeemsの本を読むことをお勧めします。(私は買っていません)

ちなみに、Loudspeaker Design Coolbookにはダブルバスレフに関する記述はありません。


(SEAS Excel Projectにもどる)



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TangBand Projectをスタートするにあたって参考にした本です。


Cookbook480


手前左:Loudspeaker Design Cookbook 5th Edition (by Vance Dickason) $34.95
これを読めばスピーカー設計手法のグローバルスタンダードが分かります。エンクロージャだけでなくネットワークに関しても圧倒的なデータ量に基づいた理論的な説明は圧巻。ハイエンドスピーカービルダーを目指すならば必携の本です。我が国の自作スピーカの現状についても考えさせられる本です。

手前右:Loudspeaker Design Cookbook 6th Edition (by Vance Dickason)
$39.95

内容は5th Editionとほとんど変わらず、字が小さくなって読みにくくなりました。5th Editionを持っているなら買う必要はないと思いますが、私にはフレア付きポートに関するデータが収穫でした。

後方左:Loudspeaker recipe (by Vance Dickason)
$24.95

いわゆるレシピ本。Loudspeaker Design Cookbook の設計手法を実践するとこうなる、という製作例です。Cookbookを読んで理解した後でないと、何のことやらさっぱりわかりません。

後方右:Testing loudspeaker (by Joseph D'appolito)
$34.95

スピーカー特性測定に関する学術的な内容で、大学のテキストレベルでしょうか。読むのはかなりしんどいです。孤高のスピーカービルダーをめざす方にお奨めします。

残念なことにスピーカー設計技術に関して信頼に値する本は今の日本には見あたりません。CookBook 4th editionは英語以外に5ヶ国語に翻訳されて出版されたそうですが、日本語版が出る見込みはなさそうです。現代のスピーカー設計技術を学ぶなら、とりあえずCookBookを読むのが近道でしょう。

私が思うに、正統派のスピーカービルダーを目指す上で必要なものは、

1)英語力
2)インターネット環境


です。別に驚くには当たらない。日本のスピーカービルダーが置かれた状況は、医学を学ぶためにまずオランダ語を勉強するところから始めなければいけなかった江戸時代の医者と同じなのです。

(TangBand Project 完)


さて、来年からSEAS Excel Projectを順次アップする予定です。今度は2ウェイシステムなので、TangBand Projectでは扱わなかったクロスオーバーネットワーク技術を中心にしたスピーカー作りに挑みます。


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私のTangBandプロジェクトは、Cookbookに書かれたデザイン手法をトレースしてみたいという動機で始めたものです。

久しぶりにスピーカーを作ってみようと思い立ったのが2000年ごろ。ネットで色々調べてみると、国内では長岡式が今も健在な一方で、海外のサイトではT/SパラメータとかMLSとかいった見慣れない単語が当たり前のように飛び交っていました。T/Sパラメータは昔のm0とS0がVasに置き換わっているらしいことは分かりましたが、驚いたのはインパルス測定で、これを使えば自宅でもスピーカーの周波数特性が実測できるということでした。自作スピーカーの周波数特性を測ってみるというのは、アマチュアスピーカービルダーなら一度は夢見ることではないでしょうか。

その後、勉強の手始めにLoudspeaker Design Cookbook 5th editionをAmazonから購入したのが2002年頃、一連のテキストを精読するうちに約2年が経ち、SpeakerWorkshopをダウンロードしたのが2004年2月、操作方法を理解するのにこれまた約1年を要しました。我ながら気の長い話です。

ドライバをW3-315SCに決め、エンクロージャの設計に着手したのが2004年10月、2005年1月にT/Sパラメータの測定から始めて、スピーカーシステムとして完成したのが2005年10月でした。それ以来、4年以上我が家のメインスピーカーとして稼働しています。


2009年冬の姿はこちら↓

With RAGZA 2009


TangBand Projectで私が学んだ事はふたつあります。


1)周波数特性がフラットになるとソースを選ばなくなる
2)測定はおもしろい!



(参考文献につづく)


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これがSpeakerWorkshopで測定した最終的な周波数特性です。ただしNiear Fieldで測定した低域のデータとFar Fieldで測定したデータをつなぎ合わせたデータなので、バッフル回折効果は反映されていません。

8kHzと12kHzのピークはアルミコーンの共振によるものと思われます。低音のわずかなピークがどーのこーのと言うのがあほらしくなるほどのピークですが、実際のヒヤリングでは意外なほどに気になりません。

低域は50Hzで-3dbとなっています。よくできました!


freq_response480


W3-315SCはコーンの素材としてアルミ合金を使っていますが、金属的な響きは感じません。メタル=シャリシャリ音というのは昔の話のようです。いわゆる紙臭さがなく、音の芯がしっかりしているので、ピアノやボーカルは実に気持ちよく聞けます。ただ、1kHzから5kHzあたりの周波数特性に緩やかな盛り上がりがあるためか、中高音はちょっと硬めのタッチです。

ローエンドも良く伸びており、ベースの音階もかなり明瞭に再生されます。ただ、磁石の弱さを箱のチューニングでカバーした設計になっているため、一生懸命がんばっているというか、余裕のなさは感じます。このあたりは8cmという口径もさることながら、防磁型で磁石が弱く、Qtsが高いのが影響しているように思えます。

とはいえ、透明感のある音場再現はミニコンポとは一線を画するものがあります。


(エピローグにつづく)


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仕上げにサンダーをかけた後、つや消しクリアラッカーを全体に吹き付けて出来上がりです。

仕上がりはこんな感じです。


P1010240s


(周波数特性の測定につづく)


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